入浴剤を入れた湯船を追い焚きしても大丈夫?
入浴剤選びにこだわって、好きな色や香り、効能を楽しむのって楽しいですよね。
家のお風呂でリゾート気分が味わえたり、遠くの温泉のようなお湯を体験できたり、入浴剤はお風呂タイムをワンランク上のモノにしてくれます。
だけどちょっと待って!
家庭用風呂の追い炊き機能は、入浴剤の種類によっては配管や風呂釜を傷めてしまうことをご存じでしたか?
この記事では、入浴剤を入れた湯船を追い炊きしても大丈夫なのかについて、わかりやすく解説します!
入浴剤と追い焚き機能の仕組み
追い炊き機能は、家族がお風呂に入る時間がバラバラでも好きな時に沸かし直して、温かいお風呂に入れるのでとても便利ですよね。
しかし、その仕組みは意外に単純。
浴槽のお湯を配管に送りこんで熱し、お湯が暖まったら浴槽に戻すというように”循環させて”いるのです。
つまり、入浴剤を入れたお湯ならば、入浴剤の成分も一緒に循環させることになります。
そのため、配管にお湯が入った時に成分が付着したり蓄積したりする場合があり、素材によっては大きなダメージを与えてしまいます。
つまり、追い炊き機能を使う場合、”入浴剤の成分によって不具合や故障が起こる”のです。
追い焚き機能つきのお風呂に入れてもいい入浴剤
多くの家庭で使われている追い炊き機能付きのお風呂には、まったく入浴剤が使えないわけではありませんよ。
ここからは、追い炊き機能付きのお風呂に入れてもいい入浴剤について解説します。
追い炊き機能を使って浴槽のお湯を配管から循環させても、ダメージを与えない素材で作られた入浴剤であればOKです。
入浴剤のパッケージ説明欄に、”浴槽・配管を傷めない”とか”イオウを使っていません”、”循環式風呂釜に使えます”などの記載があるものを選びましょう。
また、入浴剤を入れた状態での判断基準は、”白濁しておらず浴槽の底が見える透明感のある入浴剤”という見分け方もできます。
追い焚き機能つきのお風呂で特に避けたい入浴剤
追い炊き機能付きのお風呂では、お風呂のお湯が循環して配管を傷めてしまう可能性があるため、使う入浴剤の種類に注意しなければなりません。
まずは、どんな成分を含む入浴剤が配管などにダメージを与えるのかを知っておくことが大切です。
ここからは、追い炊き機能付きのお風呂で特に避けたい入浴剤についてチェックしていきましょう!
塩・硫黄・塩化ナトリウム系の入浴剤
バスソルトなどに含まれる塩や塩化ナトリウム系、天然温泉「湯の花」などの硫黄(イオウ)成分には腐食性があるため、入れた状態で追い炊きすると給湯器の配管を傷めてしまいます。
配管の多くは金属(銅など)で作られているため、化学反応を起こし、サビて腐食してしまうことがあるのです。
配管が腐食すればやがて穴が空き、水漏れしてしまいます。
バスソルトや硫黄が含まれた入浴剤を楽しみたいときは、一度沸かしたらすぐにお風呂に入り、追い炊きはしないでくださいね。
入浴後も浴槽にお湯を溜めたままにせず、すぐに抜いて掃除しましょう。
設定によっては、湯音が下がると自動的に追い炊きが始まってしまう場合があります。
自動追い炊きをオフにしておくことを忘れないでくださいね。
酸化チタン、炭酸カルシウム系の入浴剤
酸化チタンの入浴剤は、”にごり湯”などとも呼ばれ、白濁する(ミルキーな感じに白っぽく濁る)特徴がある成分です。
酸化チタンには配管を研磨する性質があるため、繰り返し追い炊きするうちに配管の中を劣化させ、故障につながってしまいます。
配管の中に成分が蓄積してフィルターが詰まると、水の循環も悪くなるのです。
炭酸カルシウム系も同じく白濁した入浴剤や、シュワーっとした炭酸ガスを出すタイプの入浴剤などに含まれています。
酸化チタンと同様に追い炊きした時に配管内にダメージを与える素材です。
食物を含むものもNG
牛乳や日本酒、チョコレート、お茶の葉、ゆず皮など、食物を含む入浴剤も追い炊き機能付きのお風呂では避けてほしい素材です。
食材系入浴剤は、入浴剤として加工してある場合であっても、もともと食物であるため配管に戻ったときに内部に付着しやすく、微生物や細菌のエサになります。
配管の中でどんどん繁殖してしまうので、ゆず湯などを行ったあとには、果肉や皮などが残らないよう丁寧に掃除し、配管口の部分もしっかり綺麗にしてください。
配管内に蓄積して詰まりや故障の原因になりやすいですよ。
NGの入浴剤が入った湯を追い焚きしてしまった場合の対処法
これまで紹介したNGの入浴剤が入ったお湯は、くれぐれも追い炊きしないことが大切ですが、
間違って追い炊きしてしまった場合にもできることがありますよ。
まずは入浴後すぐに排水することです。
湯船にお湯が入ったままにしておくと、配管にお湯が戻ってしまい配管内部に入ってほしくない成分がどんどん入り込んでしまいます。
排水したら浴槽や吐水口を洗浄したのち、湯船にお湯を満たして追い炊きをしてください。
何も入っていない綺麗なお湯を循環させることで、配管内に溜まった入浴剤成分を外に出すことができますよ。
一つ穴であれば穴が隠れる位置までお湯を入れ、何度も何度も追い炊きを繰り返してください。
ジャバなど専用の洗浄剤を使用してもOKです。
また、これらの処置をしても調子が悪い時には無理に自分で直そうとせず、専門業者に点検・修理の依頼をしましょう。
まとめ
リラックスできるお風呂には、好きな香りや色・効能を持つ入浴剤が欠かせないという人も多いですよね?
だけど、案外風呂釜や配管のことまでは考えていない人も多いようです。
健康のために毎日湯船に浸かる、おふろ生活を楽しむためにも、風呂釜や配管などお風呂の健康も考えてあげるのを忘れないようにしましょうね。
入れてはいけないタイプの入浴剤を知らないと、追い炊き機能をバンバン押して、お風呂の寿命を短くしてしまっているかもしれませんよ。